2021-03-20 詩【雨の夜】 詩 冷たい雨が降る。 降った雨は土へと還り、 奪った温度が頬を冷やす。 冷たい雨が降る。 窓硝子を打つ音は高らかに、 弾けて、流れて、溢れ、染みる。 冷たい雨が降る。 触れた手のひらがヒヤリと湿る。 手のひらの形に結露が溶ける。 冷たい雨が降る。 ただ、雨が降る。 灯りも灯さぬ部屋の内側。 窓硝子に映る我が身の姿よ。 涙も零せぬ、我が心に雨。