コジマタカフミ

自分の言葉のコピペ

掌編小説【奇妙な俺と平凡な世界】

生まれて来てからこれまで、世界と自分とのズレを感じずにはいられなかった。


言葉を発すれば周りは訝しげな表情で俺を見つめ、体を動かせば指を指して笑われる。

 

これは自分が世界とズレているからなのだろうか?
俺は生まれて来てからずっと、何かに属して活動して来た記憶はない。つまり、俺を構成しているのは"俺"そのものであり、俺は何からの影響も受けていない。ズレているのは俺一人だ。

 

それとも、ズレているのは世界の方なのだろうか。
多数決で言うのであれば、ズレているのは自分の方だ。俺、VS、世界の全て。勝ち目などあるわけはない。

 

ならば俺は、ただ一人生きていくだけだ。
周りから嘲笑われようと、指を指され指摘されようと、俺は生きていく。

 

俺は生き方を変えることができない。いや、変えること自体は不可能ではないが、どう変えればいいのかがわからないのだ。
なぜ俺がズレているのかがわからない。何が世界とズレているのかがわからない。
わからないものは直しようがない。原因の根本がわからないままに直そうとすれば、それこそ根本から瓦解し、後には瓦礫が残るだけだろう。

 

また今日も同じだ。
作業に励めば怒られ、作業を止めれば怒られる。
世界の望む"俺"とやらはどれほど優秀な存在なのだろうか。

 

俺は世界の望む姿にはなれない。
ならば俺は、俺自身の望む姿になろう。

 

俺はどうしたい?
俺はどう在りたい?
俺は俺を、どう生きたい?

 

それならば、答えは簡単だ。
俺は俺のままでも、俺だ。

 

俺はずっと、このままだ。
周りから見れば奇妙に見える姿でも。
俺は俺のまま、生きていく。



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